中国新聞も掲載されました
『その関節の痛み、再生医療で解決できる可能性があります!』
すべての患者さんの痛みのために、再生医療を用いた保存療法や手術療法とは異なる新しい第3の治療法(APS・PRP療法)を導入しました。
関節の痛みや炎症に対する治療法は、経度であれば薬(消炎鎮痛剤など)の処方やヒアルロン酸の注射、関節の筋肉を鍛えるリハビリといった保存療法を行います。
保存療法で効果がない場合や進行してしまった場合は、一般的に手術療法が選択されます。
しかし、ここ数年、保存療法と手術との間を埋める第3の治療法として、自らの血液を使用した再生医療(APS・PRP療法)が注目されています。
PRP療法は、スポーツなどで損傷した靭帯や腱、筋肉に、患者さん自身の血液から修復能力の高い血小板を多く含む部位を取り出し患部に注入することで、早期修復が期待できます。
APS療法は、PRPを分離、加工し、炎症を抑える良い蛋白質と、軟骨を破壊から守る成長因子を高度に抽出したものです。これを関節内に注入することで、関節の痛みや炎症を改善させ、軟骨の破壊を防ぐ効果が期待されています。
海外では2000年以降、自己修復力をサポートするバイオセラピーとして、主に早期復帰を目指すスポーツ選手に対して行われています。
メジャーリーグの田中将大選手や大谷翔平選手が行ったことで、一般にも知られるようになりましたが、良好な治療結果が報告されています。
この治療法は、
・保存療法では痛みが治まらない症例
・手術適応ではあるが、出来るだけ手術を避けたい人
・手術までの時間を少しでも長く保ちたい人(家庭環境や仕事の都合などで休めない等)
・高齢や合併症のため、手術が出来ない人
などにおすすめです。
また、自己の修復力を利用し治癒力を高めるため『早期復帰を目指すスポーツ選手』などにも効果が期待されています。
これらは、患者さん自らの血液を加工し使用するため、安全性が高く、体への負担やアレルギー反応、感染症等の心配もほとんどありません。
実際の治療には、入院の必要はなく採血から1時間ほどで終わります。効果には個人差がありますが、約1週間ほどで効果が実感でき、3~6カ月後が最も効果を発揮するといわれています。1回の注入で痛みが最大24カ月間軽減されたという報告もある一方で、2~3割の人には効果が認められなかったという海外のデータもあります。
再生医療と言われていますが、人体や軟骨を再生する治療ではないので、必ず手術が避けられるわけではありません。人によっては、期待したほどの効果が得られないこともあるため、治療を受ける前には担当医とよく相談し、ご自身が納得された上で治療を受けることを推奨します。
また、がんの治療中やリウマチなどの全身性自己免疫疾患の人、感染症の疑いがある人など、医師が不適当と判断した場合は受けることが出来ません。治療後には、約半数の方に注入部位の痛みや腫れが出る場合があり、2週間程度は過度な運動を避ける必要があります。
この治療法は、再生療法(再生医療等の安全性確保等に関する法律)に基づき厚生労働省より認可を受けた医療機関のみで受けることが出来ます。現時点では、保険適用外となっているため、自由診療による全額自己負担となるためご注意ください。採血し注入する日以外は一般の保険診療が適用されます。
詳しい事や分からないことなど、当院、医師やスタッフにお気軽にご相談ください。